September 2009 Archives

FDIC、ついに白旗を振る!

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3年分前倒しで預金保険料徴収!米銀は負担に耐えられるか?

とうとう、FDIC(米国連邦預金保険公社)は、
預金保証基金が枯渇したことを公式に認めざるを得なくなったようだ。
以前も触れたのだが、FDICの基金は
第2四半期末で残り100億ドルほどに減少し、
8月半ばには残り30億ドル程度に減少していた。
 
緊急保険料の徴収などで基金を補充したものの、
銀行破綻のスピードが今までにない水準であり、
とうとう9月末に基金が枯渇することを公に認めざるを得なくなったようだ。
 
果たして、基金が枯渇したFDICはどのような手段に訴えたのだろうか?
なんと金融機関から「約3年分の預金保険料」を
「前払いで徴収」することにしたのである。
金融機関側が支払うことになる額は450億ドルと見られている。
米財務省から5000億ドルの融資枠を利用する案は見送られた模様だ。
恐らく、現在の状況下では、税金投入をすることなど
とても許されない機運なのだろう。
 
しかし、今回の450億ドルの前払いだけでも、
時間稼ぎ程度にしかならないようである。
今後、2009年から2013年にかけて発生する破綻処理コストは
なんと1000億ドルと推定されている。
これは「現時点における見積もり」に過ぎず、
今後、確実に膨張してゆくものと見られる。
すでに前回の見通しである700億ドルから、
50%近く膨れあがっているのだ。

金融市場に対する影響も、今後出てくるのは必至である。
例えば、バンカメなど米銀大手4行で、
100億ドルも預金保険料を支払うことになるからである。
ウェルズファーゴは32億ドル、JPモルガンチェースは24億ドル、
シティグループは12億ドル、バンカメは32億ドルと見られている。
総計450億ドルの預金保険料だが、その支払期日は12月30日の予定である。
銀行は第4四半期に、想定外の負担を強いられることになり、
来年1月半ばに予定されている2009年第4四半期決算発表では、
さらに追い詰められた財務内容が公表されることになろう。
銀行決算に追い打ちが掛かるのは必至の情勢である。
果たしてマーケットは、この動きに対してどのような反応を見せるのだろうか?

ここ最近、世界銀行のゼーリック総裁が積極的な発言を続けている。
今後の世界運営に関する地ならしの一環ととらえることもできる同氏の発言を、
今回はコンパクトにまとめながら追いかけて参りたい。
 
まず最初に挙げたい点としては、ドル基軸体制はもはや盤石ではない、
という事を明言していることである。
『米ドルの、世界の基軸通貨としての現在の地位が、保証されているわけではない』
『世界の支配的な準備通貨であるドルの地位が当たり前だと思うのは間違いである』
という発言からも、それは明らかである。
 
特に、米国が抱える膨大な対外債務の問題を指摘し、
その問題の解決ができなければ、ドルの地位はさらに転落するだろうと述べている。
 
発言をさらに深読みすれば、米国は困難な財政赤字問題の解決に失敗し、
インフレに突入する可能性が高まっているという見方が浮かび上がってくる。
 
また、現在のドル基軸体制の砦であるFRBについても言及している。
 
その内容はなんと
『FRBの権限拡大は問題であり、銀行を監督するべきは米財務省である』
というものである。
FRBの役割がもう終焉を迎えつつあると、暗にほのめかしているのだ。
 
現在、米国議会ではFRBに対して
透明性を求める圧力が今までになく高まっており、
今回のゼーリック世銀総裁の発言は、追い打ちを掛ける格好となる。
 
こうしたドル一極支配の終わりを促すような発言をする一方で、
世界の多極化を示唆する発言が続いている。

『準備通貨としてのユーロの地位は、もっと高まるべきである』
『人民元は次第に国際化し、10~20年後には相当な力を持つようになっているだろう』
 
また、日本経済については、今までの輸出主導型経済の維持は困難であり、
内需の拡大が重要であるという見方を示している。

その点に関しては、鳩山新政権の方針とベクトルの合致が見られる。
 
このように、世界銀行としては、
もはやドル基軸体制は耐久限界に達しており、
新しい世界経済システムの構築が急がれる
というスタンスを明確にしていることが分かる。
 
果たして、FRBやウォール街は、
こうした世界的潮流に対してどのような姿勢で対峙するだろうか?
そして、ドル一極支配体制の終焉が公に言及される中、
為替相場における通貨間のポジション争いは、どのような展開を見せるだろうか?

世界経済の構造転換が決まったG20サミット

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先週金曜日に終わりを迎えたG20金融サミット。
そこで決められたテーマの一つが、不均衡是正というものであった。
つまり、米国や英国など先進国ばかりが一手に
世界の消費役を引き受けるという構造を改めようと言うわけである。
 
その方向性は、24日午後に開催された藤井財務相と
ガイトナー米財務長官との間の日米財務相会談の内容からもうかがうことができる。
その会談の中で、藤井財務相は、
日本経済を内需主導型経済へ転換するという方針を表明したのである。
日本国民の生活を直接的に支援し、内需の底上げを図るということを述べたのである。

そして通貨政策では、「強い自国通貨」という認識で合意した。
「強いドル」は国益にかなうというガイトナー米財務長官に対して、
藤井財務相は「為替介入による自国通貨安は好ましくない」という姿勢を表明し、
共に「強い自国通貨」を目指す、という点で認識が一致したというのである。
つまり、事実上の円高容認であり、
ドル安になったからと言ってドルの買い支えはしないという意思の表明でもあるのだ。
 
そうした日米財務相会談の結果や、
G20における不均衡是正という方針に沿って動くかのように、
日銀は、米ドル資金供給の規模を徐々に縮小し始めたのである。
今回は、米ドル資金を融資する期間を、
最長3ヶ月程度だったものを70日に短縮したのだ。
こうしたマネーの流れの変化に対して、
非常に著名な投資家、タイガーマネジメントのロバートソン会長は強い警鐘を発している。
 『もし、日本や中国が米国債を購入しなければ米国は
「アルマゲドン(壊滅的状況)」に陥るだろう』
『米国の借り入れはあまりにも膨大で返済など到底できない』
『デフレよりもインフレがより大きなリスクだ』
という指摘をしている。
 
すなわち、米国の生命維持装置である日本と中国が、
米国債購入を止め、ドルの買支えから手を引いてしまうと、
米国はあっけなく崩壊するという危機を強く訴えているのである。
 
10月から始まる第4四半期、果たしてマーケットは
どのような方向に牽引されてゆくのだろうか?