ドル基軸体制の終焉を追認し、新体制構築を促すゼーリック世銀総裁の発言

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 ここ最近、世界銀行のゼーリック総裁が積極的な発言を続けている。
 
 今後の世界運営に関する地ならしの一環ととらえることもできる同氏の発言を、今回はコンパクトにまとめながら追いかけて参りたい。
 
 まず最初に挙げたい点としては、ドル基軸体制はもはや盤石ではない、という事を明言していることである。
 

 『米ドルの、世界の基軸通貨としての現在の地位が、保証されているわけではない』

 『世界の支配的な準備通貨であるドルの地位が当たり前だと思うのは間違いである』

 という発言からも、それは明らかである。
 
 特に、米国が抱える膨大な対外債務の問題を指摘し、その問題の解決ができなければ、ドルの地位はさらに転落するだろうと述べている。
 
 発言をさらに深読みすれば、米国は困難な財政赤字問題の解決に失敗し、インフレに突入する可能性が高まっているという見方が浮かび上がってくる。
 
 また、現在のドル基軸体制の砦であるFRBについても言及している。
 
 その内容はなんと『FRBの権限拡大は問題であり、銀行を監督するべきは米財務省である』というものである。
 
 FRBの役割がもう終焉を迎えつつあると、暗にほのめかしているのだ。
 
 現在、米国議会ではFRBに対して透明性を求める圧力が今までになく高まっており、今回のゼーリック世銀総裁の発言は、追い打ちを掛ける格好となる。
 
 こうしたドル一極支配の終わりを促すような発言をする一方で、世界の多極化を示唆する発言が続いている。
 
 『準備通貨としてのユーロの地位は、もっと高まるべきである』
 
 『人民元は次第に国際化し、10~20年後には相当な力を持つようになっているだろう』
 
 また、日本経済については、今までの輸出主導型経済の維持は困難であり、内需の拡大が重要であるという見方を示している。
 
 その点に関しては、鳩山新政権の方針とベクトルの合致が見られる。
 
 このように、世界銀行としては、もはやドル基軸体制は耐久限界に達しており、新しい世界経済システムの構築が急がれるというスタンスを明確にしていることが分かる。
 
 
 果たして、FRBやウォール街は、こうした世界的潮流に対してどのような姿勢で対峙するだろうか?
 
 そして、ドル一極支配体制の終焉が公に言及される中、為替相場における通貨間のポジション争いは、どのような展開を見せるだろうか?
 

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このページは、橋前勇悟が2009年9月29日 13:41に書いたブログ記事です。

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