ドル基軸体制は、一体どこまで延命できるのか?
各国要人がドル基軸体制に関する発言を活発にしている。それを見て参りたい。
ガイトナー米財務長官の発言を見ていこう。
各国要人がドル基軸体制に関する発言を活発にしている。それを見て参りたい。
ガイトナー米財務長官の発言を見ていこう。
『強いドルは重要であり、ドル基軸体制を維持してゆく』
『巨額の経常赤字を抱える米国にとって、海外から資金を呼び込むためにも強いドルは必要である』
『現在の国際金融体制において、ドルが重要な役割を担っていると認識している』
ということで、徹底的にドル基軸体制防衛の意識を打ち出している。
裏を返せば、それだけ危機が差し迫っていると言うことでもあろう。
その一方、ドル基軸体制の維持において最も重大なリスクを、FRBのバーナンキ議長が指摘している。
それは『財政の長期的な安定性』である。
これは米国にとって極めて難しいテーマである。
数十年単位で経済が低迷する可能性がある中、これまで積み上がってきた天文学的な債務の返済は奇跡でも起こらなければ不可能であろう。
先日、トルコのイスタンブールでG7会合が開催されたのだが、ドル安に対する批判は無かった。
もはやドル安の話題は、腫れ物扱いである。
結局G7は、過度で無秩序な為替変動は経済を脅かすので回避しなければならないという声明の繰り返しとなった。
世界各国にとっても、あまりに急激なドルの崩落は、百害あって一利なしのようだ。
フランスのラガルド財務相、ECBのトリシェ総裁はともに、強いドルへの支持を打ち出している。
しかし、今後もFRBはゼロ金利政策を中長期的に続けざるを得ない状況である。
これは大量のドル増発に繋がり、ドル安に拍車を掛けるのは自明である。
米国内では、今までにないデフレの脅威が膨れあがっているようだ。
ゼロ金利に景気後退と、デフレを加速させる要因が連鎖反応を起こしている。
さらに、輸出主導型経済からまだ抜けきれない中国が、外貨収益・対外債権の防御を目的に「元安政策」をさらにヒートアップさせる可能性が出てきた。
ドル安が続けば続くほど、中国にとっては貿易利得は減少し、ドル資産も目減りしてしまう。
そうなると、米中間でマネー増発合戦が起きてもおかしくはないだろう。
ドルは既に、主要7通貨に対して3月初旬以降これまでに14%も下落している。
一方、中国が自国輸出企業の支援を目的に為替介入を実施しており、人民元に対してはほぼ横ばいとなっている。
中国は、今後も人民元を増発し、ドル増発に対抗する可能性があり、これが連鎖反応を起こす危険があるのである。
先日のG20金融サミットの声明にもあるように、世界はこれまでのグローバル経済金融システムを逆回転させるつもりである。
しかし、急激な変化にはどの国も耐えられない。
米国も中国もそれぞれの国益を守るために、通貨増発競争に撃って出るだけの理由があるのだ。
果たして、世界はグローバル経済金融システムの過渡期を乗り越えることができるだろうか?
ドル基軸体制は、あとどれくらい続くのか?
世界各国は、残された時間内に体質転換を果たすことができるのだろうか?
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